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January 19, 2008

『ペルセポリス』

フランスのアニメ映画『ペルセポリス』を見てきました。
フランス在住のイラン人女性、マルジャン・サトラピが描いたコミック(フランスだから、バンド・デシネですね)が原作で、映画版も原作者自身が(共同)監督をしています。ちょうど「ちびまるこちゃん」みたいな原作者自身の少女期をつづったエッセイまんがなのですが(ノリも「ちびまるこちゃん」にけっこう近い)、時代背景になっているのがイラン革命からイラン・イラク戦争にかけての大変動期で、私たちの感覚では歴史になりかかっている遠い国のことが(私たちにも共感できる)普通の少女の目線で生き生きと描かれています。

ただでさえイスラム文化圏の人というものが私のような日本人にはピンとこないのに、その文化圏の中で日陰に置かれている女性たちは、なおのこと見えにくい存在です。だからこの映画の主人公の、ブルース・リーを愛しパンクロックを聴く少女マルジャンは新鮮で初めてイスラム圏に女性がいたことを“発見した”ような感覚を覚えました。作中で有名映画がふんだんに登場していて(ゴジラ、ターミネーター、ロッキー3の主題歌「Eye of the Tiger」など)、そういう私たちと共有できるサブカルチャーをもっているというのも私の「イスラム文化圏の女性」のイメージに無かったことで、驚きとともに主人公をより共感できる存在と認識させてくれます。恋愛についても気負ったところがなくて本当に私たちの目から見てもふつうの女の子なんですよね。

イラン革命後のイスラム化で女性に対して抑圧的になる社会状況の中でもパンク魂をもつ少女マルジャンは自分を曲げずに行動したため、トラブルを心配した両親によって海外に留学させられます。そこで西洋文化に触れるものの挫折を体験し帰国することになるのですが、結局彼女はどちらの文化でも「異物」の放浪者であって、決して一般的なイラン女性ではないんですね。だからこの作品をもってイスラム圏の女性を分かった気になるのも違うんですが、別にそれはこの映画が悪いわけではありません。この映画が面白いのはそんな独自の視点を持つ彼女だからこそですから。

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